シュルレアリスムと絵画 ―ダリ、エルンストと日本の「シュール」。2019年12月15日(日曜日)から2020年4月5日(日曜日)まで

学ぶシュルレアリスム

[ 2019/11/18 ]

《用語解説》デカルコマニー(転写)

フランス語の「décalquer(転写する)」に由来する絵画の技法のこと。
1936年に画家のオスカル・ドミンゲスにより考案され、エルンストをはじめとするシュルレアリストたちの注目を集めた。

紙を用いたデカルコマニーには、2つ折りした紙の間に絵画を挟み、再び開くことで図像を得る方法や、板などの平らな面に絵具をのせ、その上から紙を押し当てる方法がある。


どちらの場合でも、支持体(カンヴァスや紙など、絵画の塗膜を支える面を構成する物質のこと。)を通して絵具に圧力をかけるため、絵具は押しつぶされて広がり、制作者にとって予想外の偶発的な図像を得ることができる。


またデカルコマニーは、支持体や絵具の物理的な特性によっても、表現が大きく異なる。例えば、支持体の表面がなめらかで、絵画の粘り気が弱い場合には、絵具は広範に伸び、色彩は柔らかな諧調にになるが、逆に、支持体の表面に凸があり、チューブから出したままのような粘り気が強い絵具を使用した場合には、濃淡のある独特のまだら模様が生じる。

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エルンストは、この作品《風景》で、紙を貼付して、表面をより滑らかにしたカンヴァスと流動性のある油彩具を用いて、この技法をとり入れ、偶発的に生じた流水のような模様を活かしながら、加筆を行うことによって、神秘性をたたえた風景を描きました。