シュルレアリスムと絵画 ―ダリ、エルンストと日本の「シュール」

会期:2019年12月15日(日)~2020年4月5日(日)

開催概要

フランスの詩人アンドレ・ブルトンが中心となって推し進めた「シュルレアリスム」は、20世紀において最も大きな影響をおよぼした芸術運動です。彼らは理性を中心とする近代的な考え方を批判し、精神分析学の影響を受けて無意識の世界を探究することで「超現実」という新たなリアリティを追い求めたのです。やがてシュルレアリスムは詩や思想だけではなく絵画の分野にも拡大し、ドイツ出身の画家マックス・エルンスト(1891-1971)による実験的な作品に美しさを見いだしました。またスペインからこの運動に加わったサルバドール・ダリ(1904-1989)は「偏執狂的=批判的」方法という独自の理論にもとづいて絵画を制作し、美術だけではなくファッション界をも巻き込む大きな流行を作り出していきます。
日本において1928年にブルトンが発表した『シュルレアリスムと絵画』は、瀧口修造(1903-1979)によって早くも1930年に日本語に翻訳され刊行されています。1930年代を通して「超現実主義」という訳語のもと最新の前衛美術のスタイルとして一大旋風を巻き起こします。しかしこうした広がりのなかでシュルレアリスムは、第二次世界大戦へと向かう時代の閉塞感と響き合い、しだいに現実離れした奇抜で幻想的な芸術として受け入れられていきました。本展は、シュルレアリスム運動からどのようにシュルレアリスム絵画が生まれたのか、さらに日本における超現実主義への展開に焦点をあてる世界で初めての展覧会です。

主要出品作家:サルバドール・ダリ、マックス・エルンスト、古賀春江、三岸好太郎、瑛九、吉原治良など

ダリ_179x155

サルバドール・ダリ
《姿の見えない眠る人、馬、獅子》
1930年
ポーラ美術館蔵

ダリ《ビキニの3つのスフィンクス》194x155

サルバドール・ダリ
《ビキニの3つのスフィンクス》
1947年
諸橋近代美術館蔵

キリコ《ヘクトールとアンドロマケー》124x155

ジョルジョ・デ・キリコ
《ヘクトールとアンドロマケー》
1930年頃
ポーラ美術館蔵

ルネ・マグリット《生命線》114x155

ルネ・マグリット
《生命線》
1936年
ポーラ美術館蔵

古賀春江《白い貝殻》124x155

古賀春江
《白い貝殻》
1932年(昭和7)
ポーラ美術館蔵