シュルレアリスムと絵画 ―ダリ、エルンストと日本の「シュール」。2019年12月15日(日曜日)から2020年4月5日(日曜日)まで

展覧会について

[ 2019/11/14 ]

みどころ

1. シュルレアリスム誕生から100年。フランスから日本へ。その歴史と変遷をたどる初めての展覧会。

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2019年はシュルレアリスム誕生から100年という節目にあたります。

フランスで誕生したシュルレアリスムは、理性を中心とした意識では捉えきれない新しい現実を表現することをめざして始まりました。シュルレアリスム独特の実験的な技法「オートマティスム(自動筆記)」「コラージュ」が出現したのが1919年です。

しかし、日本では現実の外にある幻想的な世界を表現するものとして受け入れられていき、「シュール」という独自の発展を遂げ、映画や漫画にも影響を与えました。
この100年におけるシュルレアリスムの変遷と、フランスから日本、そしてアメリカ、アジアにいたるまでのシュルレアリスムの拡大を約100点の絵画、版画によってたどります。

2. デカルコマニー、フロッタージュなどシュルレアリスムでうまれた絵画の技法を紹介。

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意識では捉えられない現実の世界を表現するために、画家たちはさまざまな探求をすすめました。主体的な判断や理性が及ばないものを捉えるために、偶然性や即興性を表現に取り入れます。デカルコマニー(転写)フロッタージュ(こすり出し)グラッタージュ(削り出し)等にみられるこれらの技法は、美術教育を受けていない人でも容易に取り組むことのできるものでした。難解な目的のために取られた、無意識という領域に迫るためのプリミティブともいえる絵画技法と、日本における絵画表現の変遷にみられるシュルレアリスムの受容のプロセスをひもときます。

3. 文学から絵画へ展開したシュルレアリスムが、日本では映画や漫画にまで広がり、文化に深く浸透。

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日本のシュルレアリスム絵画は、日本の画家たちが西洋からもたらされた絵画を、独自の表現にまで昇華できた初めてのものといえるでしょう。明治期以降、日本の画家たちは西洋の絵画の水準に到達すべくその受容につとめてきました。しかし1930年頃から、西洋のシュルレアリスム絵画の亜流であることを避け、それを起点としながらも、西洋の画家とは一線を画す、独自の表現を追求する者たちが登場しました。

西洋絵画の手法を画家たちが充分に咀嚼していたことに加え、西洋の芸術の潮流が、リアルタイムで日本に流入していたという環境が、独自の表現の実現に影響したといえます。

本展では、日本の画家が初めて油彩により自由な表現を獲得した日本独自の「シュール」の世界と、それが源泉であると考えられる映像インスタレーションや、特撮映画、漫画など、現代における日本の芸術文化の発展に貢献したさまざまな表現をご紹介します。