日仏150年の「美の往還」 [ 2020/10/21 ] 第3章 大正の輝き-ゴッホ、セザンヌ、ルノワールと日本の洋画家たち 1912年-大正時代の幕開けとともに、日本の近代美術は大きな変革期を迎えます。 文芸雑誌『白樺』などを通じて、ゴッホやセザンヌ、ルノワールらを熱烈に支持し、その作風だけでなく生き方にまで感化される芸術家が続出しました。萬鐵五郎や岸田劉生も、1912年にゴッホの影響が顕著な作品を残しています。また、フランス留学中にセザンヌの作品に大きな感銘を受けた安井曾太郎は、帰国後セザンヌ調の静物画や裸婦群像を発表しています。 さらにこの頃、美術雑誌や帰国した留学生により西洋美術の動向がもたらされる一方で、日本人による西洋美術の本格的な収集も始まりました。 【上】左:安井曾太郎 《ターブルの上》 1912年(大正元) 福島県立美術館[展示期間:2020年12月中旬~] / 右:ポール・セザンヌ 《砂糖壺、梨とテーブルクロス》 1893-1894年 ポーラ美術館 / 【下】左:ポール・セザンヌ 《4人の水浴の女たち》 1877-1878年 ポーラ美術館 / 右:安井曾太郎 《水浴裸婦》 1914年(大正3) 石橋財団アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)