春を待つ―モネ、ガレ、ボナールと日本の絵画
会期
2019年12月15日(日)-2020年4月5日(日) *会期中無休
会場
展示室2
古来より、多くの芸術家たちは、季節の変化のなかで自然がみせるさまざまな表情を作品に残してきました。四季の変化に恵まれた日本では、雪月風花(四季折々の美しい自然の風景)は、芸術における重要なテーマでもあります。なかでも、もっとも変化の大きい冬から春への移り変わりは、さまざまな意味合いを込めて描かれてきました。
樹々の葉が落ち、枝と幹ばかりの寒風吹きすさぶ風景やしんしんと雪が降り積もる風景。とくに雪は風景の細部を包み隠し、形を単純化させ、世界を一変させます。雪景色は、日本では古くは中世の絵巻に描かれている伝統的な主題ですが、西洋の美術において多く登場するのは近代以降のことです。
対して、目にもあざやかな若葉が芽吹き、色とりどりの花を咲かせるあたたかな春の風景。日本では、古来より春の訪れを寿(ことほ)ぐ梅、桃、杏、桜の花などが吉祥主題として数多く描かれました。西洋絵画では、花のほかにオレンジ、レモンなど柑橘類の収穫風景が、春の風物詩として登場します。
本展示では、ポーラ美術館の西洋絵画、日本の洋画、日本画、ガラス工芸のコレクションから、「冬」と「春」の風景をテーマとした作品を精選し、それぞれにみられる季節の表現の特徴や多様性についてご紹介します。
クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年
クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年
モーリス・ユトリロ《ラ・ベル・ガブリエル》1912年
モーリス・ユトリロ《ラ・ベル・ガブリエル》1912年
エミール・ガレ《雪景文花器》
1897-1900年頃
エミール・ガレ《雪景文花器》
1897-1900年頃
藤島武二《小豆島の春》1936年(昭和11)
藤島武二《小豆島の春》1936年(昭和11)
ピエール・ボナール《地中海の庭》1917-1918年
ピエール・ボナール《地中海の庭》1917-1918年