半澤友美「The Histories of the Self」展

会期:2019/8/10(土)~12/1(日)
場所:アトリウム ギャラリー

ポーラ美術館は、開館15周年にあたる2017年に公益財団法人ポーラ美術振興財団の助成を受けた現代美術作家の活動を紹介する「アトリウム ギャラリー」を新設し、芸術表現と美術館の可能性を「ひらく」という趣旨の「HIRAKU PROJECT」行っております。
第9回目の展示として半澤友美「The Histories of the Self」展を、2019年8月10日(土)から12月1日(日)まで開催します。

半澤友美(1988-)は、紙(かみ)漉(す)きの手法で、紙の原料となる植物の繊維から独自の造形物を制作するアーティストです。漉(す)いたばかりの紙は水分を含み不安定な状態ですが、乾燥するにしたがって密度の高い強固な物質になります。半澤はそのような紙の性質を活かしてさまざまな形や大きさの作品を生みだしてきました。紙を構成する繊維どうしの交わりや、紙と紙そのものがおかれた空間との関係性を自己の存在する社会に見立て、おもに立体やインスタレーションとして発表しています。

hanzawaサイト用

本展では、開放的な展示空間の特性を考慮しながら丹念に制作された、約300枚の紙で構成するインスタレーションを初公開いたします。「The Histories of the Self」というタイトルは、このインスタレーションの制作方法に由来するものです。半澤は、植物の繊維が絡み合った、着色された原料を平らな板の上にスポイトで点々と垂らし、それを幾層も重ね、プレスにかけて一枚の紙を作ります。

こうして制作された数多の紙は、赤や朱、紫、褐色などの紙の原料の選び方や厚み、プレスのかけ具合などの条件によってそれぞれ異なります。

人それぞれに個性があるように、自身が手がける紙にもそれぞれ個性がある、と半澤は言います。紙の素材感豊かな本作品は、素材のもつ儚さやまだらな色のありようによって、不穏な雰囲気を漂わせ、観る者それぞれが積み重ねてきた時間の存在と向き合うことをうながしています。

artimageサイト用

半澤友美「The Histories of the Self」の連作より 2019年 ©tomomihanzawa

artimage(2)サイト用

半澤友美「The Histories of the Self」の連作より 2019年 ©tomomihanzawa