展覧会
3/23
2019
7/28
2019

ポーラ美術館の絵画:日本の洋画

2019.03.23 — 2019.07.28

会期

2019年3月23日(土)-7月28日(日)

 

会場

展示室5

 

明治期の洋画家である小山正太郎と浅井忠は、工部省工学寮の美術学校で洋画を教えるために来日していた、イタリアの画家アントニオ・フォンタネージに師事しました。彼らは、フランスのバルビゾン派の影響を受け、情緒あふれる風景画を得意とした師の教えを守り、褐色調のおだやかな色彩と均衡のとれた構図による風景画を数多く手がけ、日本近代洋画の礎を築きました。

 

明治の中頃には、フランス留学から帰国した黒田清輝が、藤島武二、岡田三郎助、和田英作らとともに美術団体「白馬会」を結成し、外光を感じさせる、あざやかな色彩と明るく自由な表現で人々に衝撃をあたえました。彼らはその後の洋画壇を先導するとともに、教育者として若い洋画家たちを育成するなど、美術におけるアカデミズムの確立に貢献しました。

 

一方、大正期になると民主主義的な風潮を背景として、岸田劉生、中村彝(つね)、村山槐多(かいた)らの若い洋画家たちが個性や多様性を追求するようになりました。彼らは展覧会や美術雑誌などで目にする国内外のさまざまな芸術運動に触発されながら、感性のおもむくままに新しい表現を求めました。昭和に入ると洋画は洗練と成熟へと向かい、梅原龍三郎と安井曾太郎は西洋美術の模倣にとどまらない、新たな日本の美を創り出し、洋画壇に一時代を築きました。

岡田三郎助《あやめの衣》1927年

岡田三郎助《あやめの衣》1927年

黒田清輝《野辺》1907年

黒田清輝《野辺》1907年

岸田劉生《麗子坐像》1919年

岸田劉生《麗子坐像》1919年