展覧会
10/1
2017
7/16
2018

東洋陶磁:名作でめぐる中国陶磁の世界

2017.10.01 — 2018.07.16

会期

2017年10月1日(日)-2018年7月16日(月)

但し、2018年3月12日(月)-16日(金)は展示替えのため休館

 

会場

ポーラ美術館 展示室5

 

ポーラ美術館の東洋陶磁コレクションは、中国、日本、韓国を中心になされており、そのすべてが、「鑑賞」に主眼が置かれた鑑賞陶磁コレクションです。コレクションの主軸は中国陶磁であり、総数約200点のうち約160点を占めています。これらの中国陶磁は、漢時代から清時代まで、中国悠久の歴史を彩る各時代の作品が体系的に収集されています。

 

漢時代、北魏時代、唐時代につくられた作品群は、本コレクションの見どころとなっています。当時の厚葬の風習を背景に数多く生産された「俑(よう)」や「三彩」などの一群に、彩りと造形が調和した優れた作品が多くみられます。つづく宋時代の作品群は、中国陶磁のなかでもとりわけ高い人気を誇っており、本コレクションのなかで光彩を放っています。磁州窯系の作品、定窯白磁、龍泉窯青磁に秀作がみられます。

 

そして、本コレクションの中軸となっているのが、明・清時代の作品です。青花の作品はもとより、特に充実しているのは、色絵、赤絵と呼ばれる「五彩」の作品です。これには、景徳鎮の御器廠(ぎょきしょう)で焼造された官窯と、民間用につくられた民窯がありますが、ともに優品が認められます。明時代後半の嘉靖(かせい)(1522-1566)・万暦(ばんれき)(1573-1620)年間につくられた官窯五彩、古赤絵、金襴手には目を瞠る作品があり、明時代末につくられた天啓赤絵、呉須赤絵にも優れた作品をみることができます。明時代の作品では、この時代ならではの色彩の妙が、重要な鑑賞のポイントとなっています。

 

清時代前半期、康熙(こうき)(1662-1722)・雍正(ようせい)(1723-1735)・乾隆(けんりゅう)(1736-1795)の時代に、中国陶磁の隆盛が最高潮に達しますが、本コレクションにも、それぞれの時代を代表する優秀な作品が収蔵されています。なかでも「康熙五彩」に逸品がみられ、これらは、本コレクションの持つ華やかなイメージを象徴した存在になっています。

 

選りすぐりの中国陶磁をとおして、悠久の歴史のなかで連綿とつくられて来たやきものの持つ時代性と、それぞれの作品の持つ芸術性をご堪能いただければ幸いです。

《加彩舞女俑》唐時代

《加彩舞女俑》唐時代

《白磁刻花魚藻文碗》定窯 北宋時代

《白磁刻花魚藻文碗》定窯 北宋時代

《五彩花鳥文瓶 (康煕五彩)》景徳鎮窯 清時代

重要美術品

《五彩花鳥文瓶 (康煕五彩)》景徳鎮窯 清時代

重要美術品