展覧会
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2014
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2014

ポーラ美術館の絵画 西洋絵画 日本の洋画 日本画

2014.04.09 — 2014.09.15

会期

2014年4月9日(水)~2014年9月15日(月・祝)

 

会場

ポーラ美術館 展示室2・3

 

西洋絵画

ポーラ美術館の西洋絵画コレクションは、19世紀の印象派から20世紀の作品を核にしています。

 

油彩画において、筆のあとを残さずに滑らかに仕上げる伝統的な描き方が一般的であった19世紀後半に、印象派の画家たちは、筆致を強調して明るい色彩を並べるという革新的な技法に取り組みました。新たな表現の実験を繰り返しながら、クロード・モネは風景画、ピエール・オーギュスト・ルノワールは人物画というジャンルを中心に、今日傑作として知られる数々の作品を制作しました。

 

印象派の表現を超えようとしたのが、ポスト印象派の画家たちです。細かな点描を用いたジョルジュ・スーラ、色や形の構成を追究したポール・セザンヌなど、独創性に富んだ彼らの表現は、アンリ・マティスをはじめとする、20世紀の前衛的な画家たちに大きな影響を与えました。

ピエール・オーギュスト・ルノワール 《髪かざり》 1888年

ピエール・オーギュスト・ルノワール 《髪かざり》 1888年

クロード・モネ 《睡蓮の池》 1899年

クロード・モネ 《睡蓮の池》 1899年

日本の洋画

日本近代洋画の歴史が幕を明けたのは、江戸時代の終わりのことです。この時期に対象の迫真性を追究して、新たな道を切り拓いたのが、高橋由一でした。

 

明治期には工部美術学校で学んだ小山正太郎や浅井忠が、写実的な風景画を描いて洋画の礎を築きました。その後フランス留学から帰国した黒田清輝らが、明るく自由な作風で人々に大きな驚きを与えます。

 

大正・昭和期になると、洋画家たちは、展覧会や美術雑誌などで紹介された国内外の芸術動向に触発され、個性や多様性をより重視するようになります。日本の伝統を踏まえて西洋美術を解釈し、新たな画風を打ち立てた梅原龍三郎をはじめ、当時の洋画家たちはそれぞれ独自の表現を追究していきました。

黒田清輝 《野辺》 1907年(明治40)

黒田清輝 《野辺》 1907年(明治40)

日本画

ポーラ美術館の日本画コレクションは、古くからの伝統と踏まえながら因習にとらわれることなく、新しい展開を切り拓いてきた革新的な画家たちの作品が多いことが特徴です。

 

今回は、明治から大正にかけて、おもに線の表現を中心に日本の伝統を新たにとらえた横山大観や前田青邨(まえだ・せいそん)らをはじめ、戦後に活躍した画家のなかから、簡略化した形によって神秘的とも言える作品を制作した髙山辰雄、同時代の現代美術から影響を受けながら、絵画の物質性や緻密な画面構成を追究した杉山寧の作品を中心にご紹介します。