“シン・ジャパニーズ・ペインティング”の《シン》

野口弘子
07/21 2023

7/15(土)より「シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画―横山大観、杉山寧から日本の作家まで」展が始まりました。いつ何回見ても(役得です!)飽きること無く、深まるばかり。

展覧会は明治政府のお雇い外国人、アーネスト・フェノロサ(1853-1908)の痛烈な言葉と共にスタートします。ホテル業界に30年以上いる身としては、旅館が1981年の83,226軒をピークに減少を続けて現在はその半分以下に、ホテルは対照的に継続して増加していることや、ただ近年は伝統的な旅館と西洋のホテルが接触して居心地の良さを追求した魅力的なものに変化したモダンな旅館が誕生して注目されていることなど、フェノロサの言葉から日本と世界の関係性を考えさせられます。

“シン・ジャパニーズ・ペインティング”の《シン》はカタカナ表記されていますが、”新”であり、”真”であり、”神”であり、多様な意味がそこにはあります。わたしにとっては”深”。潜んでいる深いテーマ、日本画の深さを感じずにはいられません。

【第1会場|展示室1 展示風景】

杉山寧 《慈悲光》 1936年(昭和11)福田美術館

Photo:Ken KATO