ゲストリレーション・ミュージアムショップスタッフ募集のお知らせ【パート・アルバイト】
日本の掛物を思い起こさせる縦長の画面に、一輪のグラジオラスの花が描かれています。奥行きをあまり感じさせない空間表現や、抑えられた微妙な色彩、壺に生けられた一輪の花という単一のモティーフの選択、そして素早い筆さばきが生み出す線のリズムなど、本作品には日本美術の影響が随所に認められます。グラジオラスを描いたこの2点の作品は、1882年の第7回印象派展に出品されました。本作品を描いた翌年の1882年から1885年、モネは画商ポール・デュラン=リュエルの私邸のサロンの扉のために36枚の装飾パネルを制作しました。花や果物をモティーフとしたそのパネルの中には、壺に生けられた数本のグラジオラスを描いた縦長のものも含まれていました。こうした一連の作品は、モネの装飾性に対する高い関心を示していると言えるでしょう。