踊り子たち 展示中

作家名
エドガー・ドガ
制作年
1900-1905年頃
技法・素材
パステル/紙(厚紙に貼付)
サイズ
87.8 x 65.0 cm

エドガー・ドガ 《踊り子たち》 1900-1905年頃

作品解説

本作品でドガは、《二人の踊り子》(1900年頃、ポーラ美術館蔵)にもみられる、腰に手を当てて立つポーズの踊り子を、斜め後ろから大きくとらえている。踊り子の身体の形態は、大胆で力強い、黒い輪郭線によってしっかりとかたどられている。
 この作品では、ドガは踊りこの左腕の輪郭線を何度も引き直しており、その線の跡が残っている。この跡は、踊り子の腕がまるで左右に揺れ動いているかのような錯覚を起こさせる。ドガは、おそらく意図的に引きなおしの線を残す、あるいは加えることで、動きを表現した作例を残している。それは、《洗濯女》(1869年、ミュンヘン、ノイエ・ピナコテーク蔵)にみられる、アイロンをかける女性の腕の表現などである。《踊り子たち》の左腕の輪郭線の痕跡は、ドガの意図したものではなく、単なる偶然の効果によるものであるが、形態を的確にとらえようと繰り返し引かれた輪郭線の痕跡は、静止した絵画の画面に、踊り子の身体の動きを導入しているようにも思われる。(『ドガ、ダリ、シャガールのバレエ』図録、2006)