イヌサフラン文花器

  • 作家名 エミール・ガレ
  • 制作年 1900年頃
  • 技法・素材
  • サイズ 高25.8 幅10.3 奥行8.2 cm
黒と赤のサリッシュールが細い帯状に入った透明地に紫を被せ、グラヴュールによってイヌサフランの花を彫刻し、頚部に透明地に黄土色を重ねた滴を3個熔着している。ユリ科植物イヌサフランの葉は春に盛んとなるが夏には枯れてしまう。秋になると地面から直接花茎を伸ばして花を咲かせる。ガレはこの花を、終末の日に再び咲くのを忠実に待つものの象徴とみなしていた。夏の太陽によって焼かれ葉は萎れるが、秋になれば葉もつけずに地面から生え出る聖杯の姿をした裸の魂の復活を形容している。(『名作選』 2007)