ヴィーナスの誕生

作家名
オディロン・ルドン
制作年
1912年頃
技法・素材
油彩/カンヴァス
サイズ
33.3 x 46.3 cm

オディロン・ルドン 《ヴィーナスの誕生》 1912年頃

作品解説

ルドンは、ギリシア神話で語られている通り、女神ヴィーナスが成熟した大人の女性として、海の泡より誕生した様子を描いている。ボッティチェッリの≪ヴィーナスの誕生≫(1485年頃、ウフィッツィ美術館蔵)のように、女神ヴィーナスは、貝殻の上に立っておらず、霊的情熱の象徴であるゼフュロス(西風)に乗って、岸へと吹き寄せられているわけでもない。ルドンが描くヴィーナスは貝殻の小舟に乗って、水中のような不思議な空間を漂っている。その周りには石版画集『アントワーヌの誘惑』に登場する軟体動物を想起させる、原始的な細胞にも似た奇妙な生物が浮遊している。ルドンの想像力は、生命の起源である海の生物にも向けられている。(『モネと画家たちの旅』図録、2007)