化粧瓶(no.2)、化粧セット「ダンカン」

作家名
ルネ・ラリック
制作年
1931年5月13日 原型制作
技法・素材
ガラス
サイズ
高19.0 幅12.3 奥行5.1 cm

ルネ・ラリック 《化粧瓶(no.2)、化粧セット「ダンカン」》 1931年5月13日 原型制作

作品解説

1932年のラリック・カタログに所収。カタログには、化粧セットとして化粧瓶4点、香水アトマイザー、櫛トレー、ピントレー、パウダーボックスと思われる容器が2点、海面用ボウル10点の化粧セットとして掲載され、これは化粧瓶(no. 2)にあたる。化粧瓶4種には、ダンスをする裸婦がそれぞれに4人、3人、2人、1人、アトマイザーには1人が、花に囲まれてダンスをする情景が描写されている。また、パウダーボックスと思われる容器の蓋には、座る裸婦が施されている。 題名からも察せられるように、この作品は、ラリックが20世紀のモダン・ダンスの母といわれるイザドラ・ダンカン(1877-1927)に触発されて創作したものと思われる。 イザドラ・ダンカンは、当時の古代ギリシア・リバイバルの波に乗って舞踊、バレエの世界に新しい風を吹き込んだ。古代ギリシア・スタイルのチュニカ(寛衣)をまとい、裸足で舞台に立ったことから「裸足のイザドラ」と呼ばれて一世を風靡した。パリ、ベルリン、ブタペストなどで歓迎され、後に自身の舞踊団を結成し、ロシアにダンス・アカデミーを開校するなど意欲的に活動した。私生活では交通事故で2児を失い、自身も1927年にニースで不慮の事故で命を失った。 ラリックは、自分と同時代感覚をもち、新しい道を切り開くダンカンの生き方に共感を覚えて、オマージュとしてこのセットを製作したのかもしれない。なお、息子のマルク・ラリックは、1974年に栓を四角形に変化させて、ダンカンを再登場させた。(『ドガ、ダリ、シャガールのバレエ』図録、2006)