わが子を捧げる聖母 貸出中

作家名
エミール・アントワーヌ・ブールデル
制作年
1920年代
技法・素材
大理石
サイズ
像高67.5 cm
貸出先

エミール・アントワーヌ・ブールデル 《わが子を捧げる聖母》 1920年代

作品解説

幼児イエスを肩まで高く捧げる聖母をかたどった本作品は、1919年、アルザス、ミュルーズの実業家レオン・ヴォクトの注文により制作された高さ6メートルに及ぶ記念碑をもとにしている。この巨大な石像は、敬虔なカトリック信者であったヴォクトの母が第一次大戦の終結を願い聖母像を希望したものであった。記念碑は1922年にアルザスのニーデル・ブリュックの丘に建てられたが、その後ブロンズ、石膏、大理石などで大小さまざまに制作された。本作品は大理石によるヴァリアント(異作)である。 本作品からは、師であるロダンのもとを離れ、ギリシアのアルカイック彫刻やゴシック彫刻を学び始めたブールデルの新しい傾向がうかがえる。たとえば簡略化され、直線的に刻まれた衣紋の表現や、抑制された感情表現などに顕著である。 聖母によって高く捧げられ、両手を水平に広げたイエスは、幼児らしいふくよかな体つきではなく痩せこけた姿で表わされている。その姿は、人間の罪を背負い、十字架に磔けられる自らの来るべき運命を暗示しているかのようだ。

ポーラ美術館の収蔵するエミール・アントワーヌ・ブールデルのコレクション