『マルク・シャガールへの手紙』(挿絵本)

作家名
マルク・シャガール
制作年
1969年刊
技法・素材
エッチング/紙
サイズ
外形: 28.9 x 19.8 x 1.8 cm

マルク・シャガール 《『マルク・シャガールへの手紙』(挿絵本)》 1969年刊

作品解説

著作権有効作品のため、画像を表示していません。画像は『シャガール 私の物語』展図録(p. 112、cat. 28)をご覧ください。

ポーランドの詩人でイディッシュやロマの民話の紹介者として知られるイェジー・フィツォフスキ(1924-2006)が書いたシャガール宛の手紙に、シャガールが5点の挿絵を付したふたりの合作。フィツォフスキは第二次大戦中、ドイツ占領下において祖国の自由を守るため、レジスタンス運動に加わり、投獄された政治運動家でもあった。本書は、戦争中に迫害から逃れるために身を潜めながらも、強制収容所に送られていた幼い命を落とした子どもたちに捧げられて鎮魂の書であり、シャガールは、ユダヤの民がたどる受難の旅路や、ヴィテブスクらしき町が炎に包まれる悲劇的な光景、母子の姿などを表わしている。
 フィツォフスキは灰燼に帰した小さな死者たちを悼み、次のように締めくくっている。「彼らは避難場所を見つけ、安全な秘密の場所で私は彼らと再び出会うだろう。希望の色に彩られた、シャガールさん、あなたの場所で」。(『シャガール 私の物語』図録、2008)