『出エジプト記』

作家名
マルク・シャガール
制作年
1966年刊
技法・素材
リトグラフ/紙
サイズ
外形: 51.5 x 37.9 x 4.2 cm

マルク・シャガール 《『出エジプト記』》 1966年刊

作品解説

著作権有効作品のため、画像を表示していません。画像は『シャガール 私の物語』展図録(p. 118-125、cat. 30)をご覧ください。

銅版画による挿絵本の大作『聖書』(1956年刊)に続き、聖典のテーマに挑んだシャガールの意欲作である。『出エジプト記』の挿絵本を依頼された時、シャガールは再び聖なる物語に取り組むことをためらった。しかしフェルナン・ムルロという優れた版画家との出会いにより、シャガールはカラー・リトグラフに新境地を見出している。
 本作品は旧約聖書のモーセ五書のひとつである『出エジプト記』を24点の版画で表現したものである。預言者モーセに導かれたユダヤ人のエジプト脱出の物語は、第二次大戦中のユダヤ民族迫害を逃れるため、アメリカに亡命したシャガールの心を捉えたテーマである。原題の「エクソダス」(Exodus)とは、広く「迫害を逃れる民の大移動」も意味する。
 挿絵には、『聖書』にも登場した2本の光を放つ、シャガールの分身であるモーセが紙面を占めるほか、イスラエルの民が群集として描かれている。受難の民の喜びの姿を描写することは、迫害の根を絶やし、世界中の民の平和を願うシャガールの祈りでもあるのであろう。(『シャガール 私の物語』図録、2008)