ゲストリレーション・ミュージアムショップスタッフ募集のお知らせ【パート・アルバイト】
ラプラードとボナールは1906年、ともにベルギーとオランダを旅行している。ボナールがその頃に描いていた室内に佇む閑雅な女性像は、同時期のラプラードの作品にもみられる。またボナールは1915年に、室内で制作に取り組むラプラードの姿を描いており、両者が絶えず近い関係にあったことをうかがわせる。
ラプラードは、庭からそのまま場所を移したかのように、室内でも婦人や花などの雅やかなモティーフを好んで描いた。婦人を描いた作品では、奏楽や読書、眠りにつく様子など、室内における女性の古典的なイメージがとらえられている。
本作品に描かれている婦人は、左手に花を、右手を胸にあてて眼を閉じ、やや俯いた姿をみせている。瞑想のさなかにあるようなその面持ちは、暗い背景と相俟って、古典的な主題である「メランコリー」(憂鬱)の趣を湛えている。