草上の昼食

作家名
パブロ・ピカソ
制作年
1959年
技法・素材
クレヨン/紙
サイズ
23.9 x 30.8 cm

パブロ・ピカソ 《草上の昼食》 1959年

作品解説

紙に描かれた作品は、19世紀印象派の画家マネの油彩画《草上の昼食》をもとにした連作27点のうちの1点です。70代を迎えたピカソは、ロマン主義の大家ドラクロワの《アルジェの女たち》や、17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスの《ラス・メニーナス(女官たち)》をもとにした連作も手掛けています。それらはいずれも巨匠たちの代表作であり、ピカソは過去の巨匠と対話にのぞむように、あるいは挑戦するように原画とは異なる表現を試み、構図に大胆な変更を加えて多様なヴァリエーションが生み出されています。《草上の昼食》における4人の男女が森のなかで憩う場面は、マネによる原作では左手の前景で、白い肌をさらす裸婦に視線が惹きつけられるのですが、本作品ではそのシルエットが黒い線で示されるだけにとどまり、むしろ中央のかがみ込む裸婦が、画面に塗り込められた森の緑の表現からのがれ、紙の無垢な白さを生かして強烈な輝きを放っています。この女性のポーズは、とりわけ画家の興味を掻き立てたようで、以後、ピカソの作品にたびたび登場します。