12月2日(月)~13日(金)まで臨時休館いたします
本作品では、ドーヴィルの競馬場のトラックが画面に大きくとらえられている。競馬好きなモルニー公爵は、1863年、ドーヴィルに競馬場を建設することを決めた。1864年8月15日に第1回のレースが行なわれ、翌年にはドーヴィル競馬教会が発足、1921年に奨励協会(現スランス・ギャロ)がこの競馬場を買い取った。現在では二つの競馬場と調教場、乗馬総合施設があり、競馬、障害競技、馬のオークション、ポロ、馬術の国際大会など、馬に関連するイベントも多く開催されている。デュフィは、1930年以降、アスコット競馬場、エプソン競馬場、そしてドーヴィル競馬場などの光景を数多く描いている。華やいだ社交場である社交場である競馬場の活気に満ちた雰囲気、そして馬たちの軽快な動きや観客たちのざわめきは、あざやかな色面と洒脱な線描によるデュフィ独特の画風によってあますところなく描写されている。(『モネと画家たちの旅』図録、2007)