開館25周年を記念し、新収蔵作品の中から珠玉の映像作品2点を、前期・後期に分けてご紹介いたします。
前期は、クリスチャン・マークレーによる最新の映像作品、後期は、絵画を映像表現へと展開したゲルハルト・リヒターの作品を、それぞれ初公開いたします。
2026.6.17 – 11.30
クリスチャン・マークレー 《ドア》
クリスチャン・マークレー
《ドア》
2022年
シングル・チャンネル・ヴィデオ
カラー/モノクロ、サウンド
無限ループ
© Christian Marclay
時間芸術——特に音楽と映像にまつわる表現によって革新的な活動を続けるクリスチャン・マークレー。
《ドア》は、古今東西の膨大な映画からの引用とコラージュによって、10年以上の歳月をかけて制作された大作。丹念に収集・分類されたドアにまつわるシーンの数々が、別の映画のドアへと滑らかに接続する。映画史を自由に往来しつつ無限に反復する迷宮のような世界が、時間と空間の連続性を偽りながら豊穣なイメージを生み出している。
1955年カリフォルニア生まれ。幼少期から青年期までをスイスで過ごし、現在はロンドン在住。40年以上にわたり、パフォーマンス、コラージュ、写真、彫刻、映像、インスタレーションといった多様な表現を通じて、視覚芸術とサウンド・カルチャーが交差する領域において先駆的な実践を続けている。
2011年、代表作《時計》(The Clock)でヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞。同年の横浜トリエンナーレで公開されたほか、近年もニューヨーク近代美術館(2024年)、ノイエ・ナショナルギャラリー(ドイツ、2025年)等で観客を魅了し続けている。近年の主な個展に、ポンピドゥ・センター(フランス、2022年)、東京都現代美術館(日本、2021年)、ロサンゼルス・カウンティ美術館(2019年)、バルセロナ現代美術館(2019年)、アールガウアー美術館(スイス、2015年)、ホイットニー美術館(アメリカ、2010年)などがある。
2026.12.4 – 2026.4.7
ゲルハルト・リヒター 《ムーヴィング・ピクチャー(946-3)京都ヴァージョン》
ゲルハルト・リヒター
《ムーヴィング・ピクチャー(946-3)京都ヴァージョン》
2019 – 2024年
デジタル・プロジェクション、カラー、サウンド
36分
© Gerhard Richter 2026 (31032026)
《ムーヴィング・ピクチャー(946-3)京都ヴァージョン》は、リヒターが過去に制作した絵画をもとに、映画監督コリンナ・ベルツ、作曲家レベッカ・サンダース、トランペット奏者マルコ・ブローウとの協働により制作した映像インスタレーション。13基のスピーカーによるサウンドと、生成・変容しつづける鮮烈なイメージによる没入的体験は、2010年代から展開された「ストリップ」シリーズの新たな位相であり、作家の近年の制作における集大成のひとつ。
1932年ドレスデン生まれ。ケルン在住。ナチス政権下のドイツで幼少期を過ごし、16歳で画家を志す。中世の宗教画からドイツ・ロマン主義に至る絵画史を往還しながら、60年以上にわたり絵画の条件——その原理、限界、可能性——を探究し、更新し続けている。存命の作家のなかで、最も重要かつ影響力のある芸術家のひとりとして広く認められている。
近年の主な個展に、昨年のルイ・ヴィトン財団美術館(フランス)で開催された史上最大規模の大回顧展をはじめ、東京国立近代美術館/豊田市美術館(2022年)、メトロポリタン美術館(アメリカ、2020年)、テート・モダン/ノイエ・ナショナルギャラリー/ポンピドゥ・センター(2011-2012年)、ニューヨーク近代美術館(2002年)など。ポーラ美術館は、《グレイ・ハウス》(1966年)、《抽象絵画(649-2)》(1987年)、《ストリップ(926-3)》(2012年)などを収蔵している。
展覧会概要
開館25周年記念プログラム コレクション・シネマ
- 会期
2026年6月17日(水)- 2027年4月7日(水)
※12月1日(火)は全館休館。12月2日(水)、3日(木)は展示替えのため「コレクション・シネマ」展のみ休室。
- 会場
ポーラ美術館 展示室3
- 主催
公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
- 企画
鈴木幸太(ポーラ美術館主任学芸員)