セザンヌ―近代絵画の父になるまで 2015.04/04(土)- 09/27(日)

作品がもっとわかる4つのキーワード

2015/03/30

謎をうむ複数の視点《ラム酒の瓶のある静物》

(c)Pola Museum of Art, Katten Kabinet

セザンヌにとって静物は、構図や視点についての探究の格好の主題でした。 
この作品は、一見、机上にモチーフが無造作に置かれているようですが、丸い果物の形のリズムと色彩のバランスが慎重に計算されています。
また、それぞれのモチーフを捉える視点に注目すると、現実空間では成立しない世界が描かれていることがわかります。





まず、机に注目してみましょう。
机には、上から見たような奥行きや斜めから見た歪みがあります。




それに対して、口の部分が背景に溶け込むように塗り残された瓶は、ほぼ水平からとらえられています。




このように《ラム酒の瓶のある静物》では、複数の視点から描いたモチーフが組み合わされているのです。
この手法は、対象の形態を分析的にとらえて再構築するキュビスムの運動に大きな影響を及ぼしました。