HIRAKU PROJECT VOL.9
「The Histories of the Self」の連作より ©tomomihanzawa
半澤友美TOMOMI HANZAWA

The Histories of the Self

ポーラ美術館は、2017年10月に、現代美術を展示するスペース「アトリウム ギャラリー」をオープンし、平成8年よりポーラ美術振興財団が助成してきた若手芸術家たちを紹介する「HIRAKU Project」を開始しました。第9回目の展示として、「半澤友美 The Histories of the Self」展を開催します。

半澤 友美TOMOMI HANZAWA

[作家解説]
1988年栃木県生まれ。女子美術大学立体アート学科で紙繊維素材を学び、手漉き紙や紙の原料となる植物繊維を利用した、彫刻やインスタレーションを制作し始める。繊維を絡ませながら成形される紙の特性や、土地によって異なる紙の成り立ちなどから、あらゆる物の、特に自己の成り立ちについて考える。
平成30年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてアメリカの紙工房にて研修を受け、メキシコ、カナダで手漉き紙について調査をする。新進芸術家育成交流作品展「FINE ART / UNIVERSITY SELECTION 2016-2017」 優秀賞受賞(2016)、新制作スペースデザイン部新作家賞(2012、14)受賞。個展、グループ展を多数開催。
作家ウェブサイト http://www.hanzawatomomi.com/

[展示概要]
半澤 友美(1988-)は、紙(かみ)漉(す)きの手法で、紙の原料となる植物の繊維から独自の造形物を制作するアーティストです。半澤は学生時代より、紙の性質を活かしてさまざまな形や大きさの作品を生みだしてきました。紙を構成する繊維どうしの交わりや、紙と紙そのものがおかれた空間との関係性を自己の存在する社会に見立て、おもに立体やインスタレーションとして発表しています。
本展では、開放的な展示空間の特性を考慮しながら丹念に制作された、約300枚の紙で構成するインスタレーションを初公開いたします。「The Histories of the Self」というタイトルは、このインスタレーションの制作方法に由来するものです。半澤は、紙の原料を平らな板の上にスポイトで点々と垂らし、それを幾層も重ね、プレスにかけて一枚の紙を作ります。紙はその場の環境に応じてゆっくりと乾燥し、それぞれに様々な変化を見せます。
こうして制作された数多の紙は、赤や朱、紫、褐色などの紙の原料の選び方や厚み、プレスのかけ具合などの条件によってそれぞれ異なります。人それぞれに個性があるように、自身が手がける紙にもそれぞれ個性がある、と半澤は言います。紙の素材感豊かな本作品は、素材のもつ儚さやまだらな色のありようによって、不穏な雰囲気を漂わせ、観る者それぞれが積み重ねてきた時間の存在と向き合うことをうながしています。

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「半澤友美 The Histories of the Self」展 ©tomomihanzawa photo: Keizo Kioku
©tomomihanzawa

Exhibited Work

出展作品

1. 「The Histories of the Self」
2019年 木材パルプ、染料、柿渋、アマニ油 サイズ可変

Exhibition

展覧会

「半澤友美 The Histories of the Self」

主催:
公益財団法人ポーラ美術振興財団
会場:
ポーラ美術館 アトリウム ギャラリー