HIRAKU PROJECT VOL.8
Artwork © Enrico Isamu Ōyama
Photo © Go Sugimoto
大山エンリコイサムEnrico Isamu Ōyama

Kairosphere

ポーラ美術館は、2017年10月に、現代美術を展示するスペース「アトリウム ギャラリー」をオープンし、平成8年よりポーラ美術振興財団が助成してきた若手芸術家たちを紹介する「HIRAKU Project」を開始しました。第8回目の展示として、大山エンリコイサム 「Kairosphere」展を開催します。

Enrico Isamu Ōyama in his Brooklyn studio / 2018
Photo © Collin Hughes

大山エンリコイサムEnrico Isamu Ōyama

[作家解説]
大山エンリコイサムは、現在ニューヨークを拠点に活動するアーティストです。地下鉄や建築物の壁など公共空間に施されたエアロゾル・ライティング(グラフィティとも呼ばれる)に着目した大山は、そこから文字や色彩を取り除いた描線の型「クイックターン」を抽出し、さらに「クイックターン・ストラクチャー」(QTS)と呼ぶスタイルに発展させて制作を続けてきました。彼は過去15年間にわたり、カンヴァスや壁、ファウンド・オブジェクト、さらにコム デ ギャルソンとのコラボレーション(2012年春夏コレクション)では衣服など、多様なメディアに制作の領域を拡げています。

[展示概要]
本展のタイトル「Kairosphere」(カイロスフェア)は、「kairos」(時間)と「sphere」(圏)を組み合わせた大山による造語です。「kairos」は主観的な時間の概念であり、彼が制作のプロセスにおいて感じた内面的な時間を表しています。また、「stratosphere」(成層圏)や「atmosphere」(大気圏)といった語の接尾辞である「sphere」を、彼は気体のように不定形かつ流動的な空間として捉えました。これらを組み合わせた「Kairosphere」には「緩やかにふくらむ、時間と空間の圏域」という意味が込められています。
このコンセプトにもとづいて、本展ではこれまでの制作活動の集大成とも言える絵画《FFIGURATI #207》(2018年)とともに、大山にとって制作の節目となった作品を展示します。彼が初めてプロポーザル(申請)を通して公共の空間に制作した壁画作品《慶應義塾志木高等学校 壁画》(2003年)の記録と、QTSが空間に浮遊するようなアクリルキューブを用いた立体作品《FFIGURATI #9》(2009年)、さらにポーラ美術館の建築空間と一体化したインスタレーション《FFIGURATI #245》(2019年)をともに展示することで、過去から現在へと紡がれてきた時間が「作品圏」ともいうべき新たな時空をつくりだすことが本展の狙いです。

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Artwork © Enrico Isamu Ōyama
Artwork © Enrico Isamu Ōyama
Photo © Go Sugimoto
Artwork © Enrico Isamu Ōyama
Photo © Shu Nakagawa

List of Works

出品リスト

1. FFIGURATI #9
2009年 アクリル性エアロゾル塗料/アクリルキューブ 3対、各182×91×40 cm
2. FFIGURATI #207
2018年 エアブラシ、アクリル性エアロゾル塗料、ラテックス塗料、墨/カンヴァス(アルミニウムストレッチャーにマウント) 244×914 cm
3. FFIGURATI #245
2019年 粘着シートにインクジェット印刷/大理石壁
4. 「慶應義塾志木高等学校 壁画」映像
撮影編集:中川周

Exhibition

展覧会

大山エンリコイサム「Kairosphere」

主催:
公益財団法人ポーラ美術振興財団
会場:
ポーラ美術館 アトリウム ギャラリー
協力:
Takuro Someya Contemporary Art