展覧会
12/13
2025
5/31
2026

ポーラ美術館コレクション選

2025.12.13 — 2026.05.31

会期

2025年12月13日(土)~2026年5月31日(日)会期中無休

 

会場

展示室5

 

 

19世紀後半に現実を記録する手段として写真が流行すると、絵画はそれまでの役割から離れて、新たな表現の可能性を模索することになります。外観の忠実な再現ではなく、画家の主観や感性に重きをおく傾向が強まり、線描や色彩、そして構図といった自らの関心に基づいた探究に拍車が掛かかります。人物の性格や社会的地位を描写する肖像画の場合、自由なかたちや大胆な色遣いを通じて、その容貌の再現に留まらない表現が試みられました。モデルの内面や感情、そして個性が活写されるとともに、造形そのものの可能性までもが追求されたのです。

 

ひるがえって写真というメディアも客観的な記録という特徴にのみ限られるものではありません。今回の展示では、印象派の絵画から現代美術の新収蔵作品まで、人物をテーマとしたさまざまな時代の作品を紹介いたします。人を捉えることで広がる表現の豊かさとその魅力をご覧ください。

メアリー・カサット《劇場にて》1878-1879年頃、ポーラ美術館

メアリー・カサット《劇場にて》1878-1879年頃、ポーラ美術館

ベルト・モリゾ《ベランダにて》1884年、ポーラ美術館

ベルト・モリゾ《ベランダにて》1884年、ポーラ美術館