展覧会
3/23
2019
7/28
2019

ガラス工芸名作選–花ひらく異国趣味

2019.03.23 — 2019.07.28

会期

2019年3月23日(土)-7月28日(日)

 

会場

展示室4

 

ポーラ美術館の収蔵するガラス工芸作品より、19世紀のオリエンタリスム(東方趣味)やジャポニスム(日本趣味)が反映された名品をご紹介します。

 

フランスでは、18世紀末のナポレオン・ボナパルトのエジプト遠征などを契機として、近東や中東の「異国」に対する好奇心や憧れが芽生えました。芸術家たちは自ら北アフリカなどへ赴き、エキゾティックな風景や人物を描くなど、オリエンタリスムはヨーロッパの文学や美術の世界に新たな創作モティーフをもたらしました。フランス北東部のナンシーで活躍したエミール・ガレ(1846-1904)やドーム兄弟(オーギュスト:1853-1909, アントナン:1864-1930)といった、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸作家たちも、イスラム風の幾何学的な植物文様や西洋の伝統とは異なる濃密な色彩表現を積極的に採り入れています。

 

また、1851年のロンドン万博を皮切りに、19世紀後半にパリやウィーンで盛んに開催された万国博覧会を通して、遠く離れた日本の文物が大量にヨーロッパへと渡りました。浮世絵や工芸品の人気によってジャポニスムが巻き起こり、西洋の美術やデザインにも大きな影響を与えています。ガレやドーム兄弟の作品にも、日本の陶器や『北斎漫画』などを参考にした文様やモティーフだけでなく、日本特産の植物までもが描かれており、未知なる極東の島国の文化や芸術、そして自然観に対する彼らの憧憬が伝わってきます。

ドーム兄弟《ロレーヌ十字文鶴頚花器》1895年頃

ドーム兄弟《ロレーヌ十字文鶴頚花器》1895年頃

エミール・ガレ《騎馬人物文香水瓶》1880年代

エミール・ガレ《騎馬人物文香水瓶》1880年代

エミール・ガレ《アラベスク文花器》1884年頃

エミール・ガレ《アラベスク文花器》1884年頃

エミール・ガレ《紫陽花文ランプ》1904-1906年

エミール・ガレ《紫陽花文ランプ》1904-1906年

エミール・ガレ《草花文耳付花器》1895年頃

エミール・ガレ《草花文耳付花器》1895年頃

エミール・ガレ《菊花文花器》1900年頃

エミール・ガレ《菊花文花器》1900年頃