エミール・ガレ

2018/02/19

エミール・ガレについて

あらゆる学問に精通し、優れた経営者でもあった アーティスト、エミール・ガレ

1846年、フランス北東部のナンシーに生まれ。ガラスと陶器を扱う商社を経営する父のもと、早くからガラス製作の技術を学びます。1894年にはナンシーにガラス工場を新設して事業を拡大し、デザインから製作までの一貫生産を始めました。1878年のパリ万国博覧会で、陶器とガラス部門で銅賞を受賞。1889年のパリ万博ではガラス部門でグランプリを、そして陶器、家具部門でも金賞、銀賞を受賞するなど、多彩な才能を発揮して、1900年万博において不朽の名声を確立します。ガレは、植物学や生物学のほか、文学や哲学など多岐にわたる学問への深い造詣を、ガラスの造型や意匠にいかんなく発揮して、芸術性の高いガラス作品を生み出しました。1904年にナンシーにて歿。

ガレとアール・ヌーヴォー

「アール・ヌーヴォー」(Art Nouveau)とは、フランス語で「新しい芸術」という意味で、19世紀後半に生まれ、世紀末に花開いた国際的な芸術様式です。自然の有機的な形態を着想源とした曲線をふんだんに用いたこの芸術運動において、ガラス工芸の分野で頭角を現したのがガレでした。ガレは伝統的な工芸の意匠から脱却し、いち早く自然をモティーフとしたデザインを取り入れるとともに、ガラス工芸の第一人者として認められ、その地位を不動のものとしました。

ガレと象徴主義

象徴主義とは、19世紀末に展開された芸術運動のひとつで、暗示的な表現を多く用い、人間の内面的な苦悩や夢想を表現したものです。ガレはガラス工芸の分野で象徴主義の先駆をなした人物でした。従来の透明ガラスの装飾から離れさまざまな技法を自ら開発して、不透明な重く鈍い色彩のガラス作品を数多く手がけました。また、図案と共に詩文を刻んだ「もの言うガラス」と呼ばれるシリーズにも取り組んでいます。