モダン美人誕生
岡田三郎助

2018/11/07

第1章 近代の幕開け ― 幕末から明治期にかけての洋装化

明治期の化粧や服装は、江戸時代の慣習を色濃く残しつつも、開国によって徐々に洋風に変化していきました。
特に洋装を率先して取り入れたのが、昭憲(しょうけん)皇太后をはじめとする皇族・華族の女性たちです。彼女たちがお歯黒や眉剃り、眉づくりなどの風習をやめていったのを機に、伝統的な化粧や身支度のための道具は次第に消えていきました。
当時の浮世絵には、バッスルスタイルのドレスに身を包み競馬を楽しむ女性の姿や、洋装化に合わせた多種多様な髪型が描かれています。

装いの変化

後ろの腰が大きく膨らんだバッスルスタイルのドレスに身を包んだ女性たちが描かれています。

髪型の変化

上流婦人の間で日本髪を洋風にアレンジした「夜会巻き」などの髪型が見られるようになります。

化粧道具の変化

「五三桐紋蒔絵婚礼化粧道具」は明治時代の婚礼化粧道具。江戸時代の形を踏襲しながらもお歯黒や眉作りの道具が姿を消しています。

明治36-40年のものです。イギリスより輸入されたこちらの「あやめ文銀製化粧セット」には洋装のためのマニキュアセット、巻き髪用のコテ、時計などが揃い、化粧道具ひとつにもよそおいの変化を見てとることができます。