この絵が名画である理由

2017/10/11

原田 マハさんの、この絵が名画である理由

原田 マハ(はらだ まは・作家)
ー フィンセント・ファン・ゴッホ 《アザミの花》 1890年

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19世紀末のパリを舞台に、フィンセントとテオのゴッホ兄弟の情熱と葛藤を描いた小説『たゆたえども沈まず』を、つい先頃書き終えた。ゴッホの命日(7月29日)に合わせて、彼の終焉の地となったオーヴェル=シュル=オワーズを訪ねた。かの地で自ら命を絶つまでの約2ヶ月間、ゴッホは70点ほどの絵を制作した。本作はその中の1点。ゴッホの世話を焼いていた医師、ガシェ邸の庭に咲くアザミのみずみずしさをそのままカンヴァスに写し取っている。現在は資料館となっているガシェの庭の一隅には、今なおアザミが咲いている。ひっそりと青い炎のような花を点して、風の中で揺れている。