貝の付いた壺

  • 作家名 エミール・ガレ
  • 制作年 1903年頃
  • 技法・素材
  • サイズ 高12.8 径11.9 cm
パティネ処理による耀変色の細かい斑紋を散らした素地をグラヴュールで削って海藻を浮き彫りし、熔着した色ガラスもグラヴュールで削って貝殻の形に仕上げている。ウミウシのようなアプリカシオンは琥珀色の透明ガラス製。大きく広がる口の内側にマルトレ風に荒くグラヴュールをかけ、さらに酸によるつや消し仕上げを施している。同形製品がいくつか存在するモデルで、海底の沈没船から引き揚げられた古代の壺に貝殻が付着しているようすを写したデザインといえる。ガレは貝殻付きの古代の壺を所有していたが、それに基づいて≪ソロモン王のアンフォラ≫と呼ばれる大作も残している。(『名作選』 2007)