この絵が名画である理由

2017/09/11

馬渕 明子さんの、この絵が名画である理由

馬渕 明子(まぶち あきこ・国立西洋美術館長)
ー クロード・モネ 《サン=ラザール駅の線路》 1877年

p_mabuchi

「煙」?「蒸気」? こういったものを絵に描きとどめようとしたモネは何といっても凄い。当時の人たちは「そんな消え去るものを描いて何の意味があるんだ?」と思ったはずなのに、モネは断固として挑戦した。モネはここでは線路上に漂う消え去ろうとする「気」だけを描いたのだ。でも目を凝らすと、列車や人や線路がぼんやり見えてきて、煙の匂いもしてきませんか?粗いタッチなのに、その場に引き込まれそうになる「臨場感」を描いた名画。