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箱根の自然
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箱根の自然
周辺の自然

樹齢300年のブナの巨木やヒメシャラ群生が周囲に育つなど、国立公園内に位置する美術館は、「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに、豊かな自然の景観にとけこんでいます。

当美術館では、本来の箱根の自然林を再生することにも積極的に取り組んでいます。広大な敷地内にあったヒノキ植林地を落葉樹林へと転換させるために、現地のブナ、ヒメシャラ、ヤマボウシなどの種子から育てた苗を植樹しております。

2002年10月30日、美術館周辺の緑地12.7ha (約38.400坪)を「トラスト緑地」として神奈川県に寄付しました。

詳細
ブナ

北海道の一部と本州から九州にかけての海抜の高い山地に分布する落葉の高木です。
通常、海抜800m以上の地域で群落を形成するため、海抜700mに位置する美術館の周囲での群生は珍しく、また、地球温暖化の影響などで太平洋側のブナ群生が近年減少しているため、美術館周囲のブナ林はたいへん貴重です。樹皮は灰白色で、コケにおおわれています。葉は交互に出ており、縁は波状を呈しています。ブナの寿命は250年ほどとされていますが、中には400年を越える古木もあります。高さは成木で約20〜30m、幹の周囲は約2〜3mです。7〜8年に一度、1本の木に数万粒以上の種子をつけますが、落ちた種子を虫や小動物が食べるなどして発芽の確率はひじょうに低く、さらに発芽した幼樹も密生したハコネザサの中では、今ではほとんど成長しません。
ヒメシャラ

ブナ林を構成する樹で、箱根以西の本州、四国、九州に分布する落葉の中高木です。
樹皮は、淡い赤褐色で滑らかな光沢があり、薄くはがれます。雨上がりの頃の木肌の美しさは格別です。6〜7月頃、白い花をつけます。
朝咲いた花が夕方に落ちることから「平家物語」でも「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す」と世の無常の象徴として描かれています。
ヤマボウシ

本州、四国、九州に分布する落葉の中高木です。樹皮は黄紅褐色を帯びており、滑らかな表面をしています。
5〜7月に4枚の総苞(そうほう)をもつ白色の花が咲きますが、ヤマボウシ(山法師)という名前は、この白い総苞が白いずきんをかぶった山法師を連想することから付けられました。秋には赤く、イチゴのような果実が実ります。
ポーラ美術館の自然環境保全活動

公益財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ美術館では、自然公園法に基づき、建物の自然環境への影響を調べる「モニタリング調査」を1999(平成11)年より実施してまいりました。調査項目は、鳥類の生息回復状況の確認、昆虫類の生息回復状況調査などの動物に関するもの、帰化植物の侵入監視や移植及び新植樹木の育成管理などの植物に関するものなど、多岐にわたります。ここでは、その一部をご覧いただき、ポーラ美術館の自然環境保全活動の一端をご紹介いたします。


ポット苗による新植樹木の育成管理

ポーラ美術館周辺から採取されたブナ、ヤマボウシ、ヒメシャラ、カジカエデなどの種子を育てたポット苗を、林相転換のために、美術館開館前の2002(平成14)年4月と開館後の2003(平成15)年4月、敷地内の約2,400m2のヒノキ植林地に植栽しました。植樹の本数は総計約4,000本に及びます。
2008年現在、6年間の平均成長量は、樹種によって異なりますが、根元直径15〜49.8mm、樹高92.8〜257cm、胸高直径2.5〜11.1mmです。そして最も成長した個体の大きさは、とくに大きく成長した樹木がケヤキで根元直径67.1mm、樹高424cm、胸高直径41.5mm、ミズナラが根元直径88.3mm、樹高392cm、胸高直径41.3mm、ヤマボウシが根元直径49.6mm、樹高345cm、胸高直径25.6mm、開館後に最も数多く植栽したブナが根元直径26.6mm、樹高198cm、胸高直径9.0mmなどです。
帰化植物の侵入監視

ポーラ美術館の敷地における帰化植物、アメリカセンダングサ、ハルジオン、ヒメジョオン、セイヨウタンポポ、メリケンカルカヤ、オッタチカタバミの除草作業を、2008(平成20)年5月と7月に実施しました。
除草作業の結果を踏まえ、帰化植物の侵入が予測される改変区域とその範囲を踏査し、出現種を記録しています。

虫を殺さない防虫対策

小塚山の豊かな自然環境に恵まれたポーラ美術館では、周辺環境の動植物の生態系を損なうことなく、外部から侵入する昆虫への対策として、殺虫剤の使用をおこなわない防虫対策を実施しています。
開館以来、株式会社竹中工務店の協力のもと、外部から侵入する昆虫の種類と経路を調査しました。そのデータをもとに、飛来性昆虫に対しては虫を誘引しやすい紫外線をカットした照明器具を採用、歩行性昆虫に対しては侵入経路であるトラックヤードなどの搬出入口の段差部分に昆虫忌避材「バグバンパー」を設置することにより内部への侵入を防止しています。
このような人体や自然環境に配慮した建築的な方法による防虫対策の結果、侵入する昆虫を実施前と比べて半分に減少させることに成功しました。

バグバンパー・・・r形状のそり返しによって虫の侵入を防ぎます。rの内側には虫が嫌う薬剤が塗布されているため、バンパーに近づいた虫は後戻りする仕組みになっています。
建築写真:石黒 守
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