草むら

作家名
フィンセント・ファン・ゴッホ
制作年
1889年
技法・素材
油彩/カンヴァス
サイズ
45.1 x 48.8 cm

フィンセント・ファン・ゴッホ 《草むら》 1889年

作品解説

ファン・ゴッホは、アルルでのゴーガンとの共同生活と耳切り事件ののち、サン=レミのサン=ポール精神療養院に入院した。彼は何度か発作を起こしたが、病気が小康状態のときには制作を行った。彼は病室の窓から見える風景や庭の草花や木々、病院近くのオリーヴ園、糸杉のある風景などを描いた。1889年4月、彼はこの病院の庭で見たと思われる草花を主題にし、数点の作品を制作している。 ゴッホはそれら数点の作品で、空も地平線もない、草花の広がる光景のみを描いているが、この《草むら》は、そのなかでもとりわけ草の茂みを大きくクローズアップしてとらえている。彼は大地に根を張るこの草むらを、あざやかな緑、黄緑を用い、力強い線条のタッチで描いている。自然の風景の細部を見つめる観察態度には日本美術の影響も指摘されているが、きわめて地面に近い視点から描かれた本作品は、奥行感が欠如し、平面的な画面になっている。このような表現には、モネの描く「睡蓮」の連作に通じる20世紀絵画への接近が見てとれるであろう。