菊にカマキリ文花器

  • 作家名 エミール・ガレ
  • 制作年 1880年代
  • 技法・素材
  • サイズ 高26.9 径19.5 cm
褐色の透明地を型吹きした花器。リンドウの花のように口を開いた器の形状は古代中国の殷の青銅器「觚(こ)」の形態を模倣したともいわれている。口の周囲や胴の中央部に鱗文風の線刻文様を散らしているのも中国的な雰囲気を感じさせ、ブロンズ製台座の複雑な装飾も中国風である。しかし、エナメル彩と金彩を併用して描かれているモティーフは菊にカマキリという日本的なもの。おどけた表情を見せるカマキリの足元や口の周囲には松葉のような弧線が添えられている。別面には八重咲きの赤い菊が描かれている。(『名作選』 2007)